有酸素運動は20分続けなくていい|細切れでも女性の健康を支える

目次

有酸素運動は20分続けないと意味がない?忙しい女性の「時間がない」をほどく

朝は支度で手いっぱい、昼は仕事、夜は残業や家事、子どもの世話。「運動したほうがいいのはわかっているけれど、20分も続けて歩く時間なんてない」。そう思いながら、今週もスニーカーを出さないまま終わった方は少なくないはずです。

有酸素運動は、20分続けなくても大丈夫です。短い活動も、1週間の活動量に足していけます。

世界保健機関(WHO)の活動の目安には、以前「少なくとも10分ずつ」という条件がありました。いまは、その条件がなくなっています。「まとまった時間が取れないから、今日はゼロ」と考えなくていいのです。

たまの大きながんばりがなくても、女性の健康を支える動きは、暮らしの中で積み重ねていけます。忙しい毎日の中でも動ける形を、いっしょに見つけていきましょう。章の終わりには、30秒でできる「思い込み」のセルフチェックも用意しました。

知りたいこと この章の答え
20分続けないと意味がないの? そんなことはない。短い活動も、週の活動量に足せる
短い運動は、長い運動と同じ効果? 同じとは限らない。それでも、週の合計には足せる
有酸素運動って、どんな運動? 速歩き、自転車、水泳、ダンスなど、息を使いながら続ける運動
通勤や家事は数えていい? 歩く以上の強さの動きなら、1日の身体活動に数えられる
何から始めればいい? いつもの道を少し速く歩く5分から。くわしくは【ポイント3】で
産後や更年期でも同じ? 時期によって目的が変わる。くわしくは【ポイント2】で

「20分続けないと意味がない」は思い込み — 短い活動も1週間の合計に足せる

相談者
先生、聞いてください。36歳で、事務の仕事をしています。小学生の子どもが1人いて、朝も夜もバタバタです。

この前の健診で「少し運動を」と言われて、動画を見てみました。すると、「有酸素運動は20分続けないと意味がない」という話が出てきたんです。まとまった20分なんて、平日はとても取れません。5分や10分の運動では、やっぱり意味がないのでしょうか?

藤東先生
毎日おつかれさまです。平日に20分を確保するのは、簡単なことではありませんよね。

安心してください。5分や10分の運動も、週の合計に数えられます。

10分以上続けた分だけを数える、という以前の条件はなくなりました。いまは、短い活動も数えられるようになっています。

つまり、駅まで少し速く歩いた5分も、昼休みに息が弾むくらい歩いた10分も、1週間の活動量に足していいのです。「20分」という線は、いまの世界の目安にはありません。

相談者
えっ、そうなんですか。でも、「脂肪は20分たたないと燃え始めない」とも聞きました。ダイエットのことも少し気になっていて…。
藤東先生
とてもよく聞くお話ですね。ただ、「20分を過ぎると脂肪が燃え始める」と言い切れるだけの確かな話は、今回調べた資料の中にはありませんでした。

体脂肪やおなかまわりは、1回ごとの時間で区切って見るものではありません。動いた量を重ねて、長い目で見ていきます。汗の量だけでは、効果は測れません。たくさん汗をかいたから効いた、汗をかかなかったから無駄だった、とは判定できないのです。

相談者
短くても無駄じゃないんですね。すごくほっとしました。じゃあ、5分を4回やれば、20分続けたのと同じですか?
藤東先生
いい質問ですね。短い運動と長い運動が、体力や体重など、すべての面で同じ効果を持つとまでは言えません。長く続ける運動には、長く続ける運動のよさがあります。

貯金箱にたとえてみますね。1回で千円札を入れる日もあれば、百円玉を入れる日もあります。百円玉だからといって、貯金にならないわけではありません。「今日は千円札がないから、何も入れない」を続けるより、百円玉を入れる日が増えたほうが、1週間の残高は増えていきます。

あなたの場合は、平日に長い時間を取るのが難しい暮らしです。平日は百円玉をこつこつ入れて、余裕のある休日に千円札を入れる。そんな形で十分です。

それから、運動の時間が取れないのを、意志の弱さだけのせいにしなくていいのです。仕事、家事、育児、住んでいる場所の環境など、女性が体を動かせるかどうかには、暮らしの条件も関わります。「続かない自分はだめだ」と責める必要はありません。変えるのは自分の性格ではなく、動きの入れ方です。

世界の目安には、週150分という数字もあります。ただ、届かない週があっても、その週の動きは無駄になりません。週の合計の考え方は、【ポイント1】でくわしくお話しします。

ここまでのポイント

  • 「20分続けないと意味がない」は思い込み。短い活動も週の活動量に足せる
  • 以前あった「少なくとも10分ずつ」という条件も、いまはなくなっている
  • 短い運動と長い運動が、すべての面で同じ効果とまでは言えない
  • 貯金箱の百円玉のように、「短いからゼロ」と考えず積み重ねる

有酸素運動とは? — ジムに行かなくても、暮らしの動きが入り口になる

相談者
気持ちが楽になってきました。でも、そもそも有酸素運動って何なのか、よくわかっていないんです。ジムに通う時間はないですし、運動らしいことといえば、駅まで歩くくらいです。
藤東先生
駅まで歩いているなら、もう入り口に立っていますよ。

有酸素運動は、息を使いながら、体を続けて動かす運動のことです。代表的なのは、速歩き、自転車、水泳、ダンスなど。必要なのは、特別な道具より「少し息が弾む時間」です。

言葉がいくつか出てくるので、ここで整理しておきましょう。

言葉 意味 例
身体活動 体を動かすことすべて 通勤、家事、仕事、余暇の運動
運動 身体活動のうち、計画して続けるもの 週末の速歩き、スイミング、ダンス
有酸素運動 息を使いながら続ける運動 速歩き、自転車、水泳、ダンス
筋力運動 筋肉に負荷をかける運動。有酸素運動とは別の役割がある スクワットなど
相談者
では、掃除機をかけたり、子どもと公園で走ったりするのも、有酸素運動になるんですか?
藤東先生
そこは、よくいただく質問です。掃除機も公園も、息が弾むくらいきびきび動けば入り口になります。一方で、家事のすべてを有酸素運動と呼ぶことはできません。洗濯物をたたむのと、息が弾むほど速く歩くのとでは、体にかかる負担が違いますよね。

ただ、がっかりしないでください。日本の目安では、歩く以上の強さの動きなら、通勤や家事も「1日の身体活動」に数えられます。女性の毎日には、計画した運動の時間がなくても、体を動かしている場面がたくさんあります。

駅までの道を少しだけ速く歩く。買い物の帰りに、歩く距離を少し伸ばす。公園で、子どもといっしょに動く。そんな場面が入り口になります。

同じ速さで歩いても、きつさの感じ方は人によって違います。友人と同じペースでなくてかまいません。「どのくらいの強さがちょうどいいか」は、【ポイント1】でお話しします。

相談者
私はもう何年も運動らしい運動をしていなくて、体力に自信がありません。いまから始めて、体は変わるものなんでしょうか?
藤東先生
その気持ち、よくわかります。

運動を続けると、筋肉の中で酸素を使ってエネルギーを作るしくみが変わることが調べられています。酸素を運ぶ細い血管も同じです。息が上がりにくくなる背景には、こうした体の中の変化があると考えられています。

しかも、はじめの体力が低い人ほど、体力の変化が大きく出やすい傾向があります。誰もが同じように変わるとまでは言えませんが、「いまさら始めても遅い」と思う必要はありません。体力に自信がないことは、始めるのをあきらめる理由にはならないのです。

妊娠中や産後の方、持病があって運動を止められている方には、この章の話が当てはまらないこともあります。【ポイント2】とあわせて読んでください。かかりつけの先生に確かめてから始めると安心です。

あなたの場合は、駅までの道がいちばんの入り口ですね。明日の朝、いつもより少しだけ速く歩いてみる。それだけで、もう貯金箱に百円玉が入ります。

ここまでのポイント

  • 有酸素運動は、速歩き、自転車、水泳、ダンスなど、息を使いながら続ける運動
  • 身体活動の中に運動があり、運動の中に有酸素運動と筋力運動がある
  • 家事のすべてが有酸素運動ではないが、歩く以上の強さなら1日の身体活動に数えられる
  • 同じ速さでも、きつさは人によって違う。他の人のペースに合わせなくていい

【30秒セルフチェック】有酸素運動の「思い込み」、いくつ当てはまる?

相談者
「運動はジムでするもの」と思い込んでいたかもしれません。知らないことばかりでした。
藤東先生
大丈夫ですよ。運動の話は身近なだけに、昔からの言い伝えやネットの情報がたくさんあって、思い込みが生まれやすいんです。

ここで一度、頭の中を整理してみましょう。次の7つのうち、「そう思う」ものを数えてみてください。自分に当てはまらない項目や、よくわからない項目は、数えなくて大丈夫です。その分、数は少なく出るので、結果は軽い目安として見てください。30秒で終わります。

□ 1. 週150分に届かないなら、運動してもあまり意味がないと思う
□ 2. 汗だくになるくらいきつくないと、運動にならないと思う
□ 3. 体重が減らなければ、運動の効果はないと思う
□ 4. 生理のあとに運動すれば、必ず痩せると思う
□ 5. 産後は決まった週数がたてば、誰でも走り始めていいと思う
□ 6. 更年期のほてりは、運動すれば治ると思う
□ 7. 有酸素運動をしていれば、筋力運動はいらないと思う

当てはまった数で、いまのあなたの「運動の見方」の目安がわかります。

当てはまった数 いまのあなた
0〜2個 運動について、バランスよく理解できています
3〜4個 昔からの「常識」や、ネットの情報に引っぱられているかもしれません
5個以上 運動への思い込みが多めです。でも、知れば今日から変えられます

これは診断のためのテストではありませんし、体力や健康状態を調べるものでもありません。よくある思い込みに気づくための目安です。数が多くても少なくても、気になる症状があるときは、無理をせずに相談してください。

実は、7つの項目はどれも、この記事の中で答え合わせができます。当てはまった項目の番号を、下の表で探してみてください。その章から読むと、答えがすぐに見つかります。

項目 答え合わせができる章
1・2・3 【ポイント1】週の合計のこと、強さのこと、体重と効果のこと
4・5・6 【ポイント2】生理のこと、産後のこと、更年期のこと
7 【ポイント3】STEP3 筋力運動のこと
全体のおさらい まとめ(よくある質問と、答えの一覧)

いくつ当てはまりましたか? 7つの中には、「きつくないとだめ」と自分を追い込む方向の思い込みがあります。「これさえすれば大丈夫」と、期待しすぎる方向の思い込みもあります。当てはまった数が多い方ほど、この先で「えっ、そうだったの?」という発見がたくさんあるはずです。肩の力を抜いて、気になる章から読み進めてみてください。

【ポイント1】有酸素運動は「1回の長さ」より「1週間の合計」で考える

「今週も運動できなかった」。日曜の夜にそう思って、少し落ち込んだことはありませんか。けれども、ふり返ってみると、駅まで急いだ足取りも、昼休みの散歩も、週末の公園も、体はちゃんと動いていたはずです。数えていなかっただけかもしれません。

冒頭の章で、短い活動も週の活動量に足せるとお話ししました。この章では、その足し算の中身を見ていきます。どれくらい動けばいいのか、どれくらいの強さがちょうどいいのか、何を見れば効果がわかるのか。この3つがわかると、「やった、やらない」の二択から抜け出せます。

気になること この章の答え
週に何分動けばいい? 世界の目安は週150〜300分。届かない週も無駄ではない
「1日60分」とは違うの? 違う。60分は通勤や家事も含めた身体活動の目安
どのくらいの強さがいい? 話せるけれど歌えない、くらい
汗だくにならないとだめ? そんなことはない。汗の量だけでは効果を判定できない
体重が減らないと効果なし? そうではない。体力、体脂肪、気分は別々に見る

ひと言でいうと、有酸素運動は1回の長さではなく1週間の合計で考え、体重だけで採点しない、ということです。

冒頭の会話でお話しした貯金箱のたとえを、忙しい人の1週間に当てはめてみました。大きな額が入る日がなくても、残高は少しずつ増えていきます。

flowchart TD
    A["朝は駅まで
速歩きで5分"] --> B["昼休みに
歩いて10分"] B --> C["帰り道を
速歩きで5分"] C --> D["休日は余裕があれば
長めに"] D --> E["1週間の合計に
足していく"] E --> F["来週は
5分だけ増やす"] classDef small fill:#FCE7F3,stroke:#DB2777,color:#831843,stroke-width:2px classDef big fill:#FEF3C7,stroke:#D97706,color:#78350F,stroke-width:2px classDef sum fill:#E0F2FE,stroke:#0284C7,color:#0C4A6E,stroke-width:2px classDef goal fill:#DCFCE7,stroke:#16A34A,color:#14532D,stroke-width:2px class A,B,C small class D big class E sum class F goal linkStyle default stroke:#94A3B8,stroke-width:2px

どれくらい動けばいい? — 週150分と1日60分は、数えているものが違う

「週150分」「1日60分」「1日8000歩」。運動の話を読むたびに違う数字が出てきて、どれが正しいのかわからなくなったことはありませんか。

どれかが間違っているわけではありません。数字によって、数えているものが違うのです。

目安 数えているもの 読み方
週150〜300分(世界保健機関) 中くらいの強さの有酸素の活動 強い活動なら週75〜150分。筋力運動は別に週2日以上
1日60分(日本) 通勤や家事も含む、歩く以上の強さの身体活動 歩数にすると約8000歩
週60分(日本) 息が弾み、汗をかく程度の運動 計画して行う運動の目安。筋力運動は週2〜3日

誤解されやすいのは、日本の「1日60分」です。毎日60分ジョギングをしなさい、という意味ではありません。駅まで歩く、買い物に行く、掃除をする、子どもと遊ぶ。そうした動きも含めた、1日全体の目安です。

「1日60分」と「週60分」は、別々の項目です。全部を上乗せしてこなさなければならない、という話でもありません。どれを見ればいいか迷ったら、この記事では、息が弾んだ時間を足した週の合計を見ていけばかまいません。

週150分と聞くと、長く感じるかもしれません。分け方を変えてみると、印象が変わります。

分け方 1週間の中身
30分ずつ 週5日
10分ずつ 1日3回を週5日
5分ずつ 1日6回を週5日
平日は短く、休日は長めに 平日に15分ずつ、土日に40分ずつ

まとめて動く日があっても、細かく分けても、合計の考え方は同じです。5分を1日6回は計算の例で、このとおりにこなす必要はありません。自分の1週間に入る形を選んでください。

大切なのは、週150分は合否の線ではないということです。届かない週があっても、動いた分が消えるわけではありません。運動から離れていた方が、いきなり週150分を目指すと、体にも気持ちにも負担がかかります。いまの合計に少しだけ足す。それで十分な出発点です。

「女性は男性の半分の運動でいい」という話を見かけた方もいるかもしれません。女性のほうが短い活動時間で同じくらいの関連が見られた、という報告はあります。ただ、これは必要な運動量が半分になると確かめたものではありません。世界の目安も、男女で分かれてはいません。「半分でいいなら楽だ」と飛びつかず、自分の暮らしに合う量を探していきましょう。

【答え合わせ】セルフチェックの項目1

「週150分に届かないなら、運動してもあまり意味がない」は、思い込みでした。届かない週の動きも、貯金箱にはきちんと入っています。

今日から使えるヒント

  • 今週、息が弾むくらい動いた時間を、ざっくりメモしてみる
  • 来週は、今週の合計に5分だけ足すことを目標にする

強さの目安は「話せるけれど歌えない」 — きつい運動でなくていい

友人とおしゃべりしながらのんびり歩いて、「今日は運動した」と思った日。反対に、動画をまねして息が切れるまで飛びはね、3日でやめてしまった日。どちらも、覚えがある方は多いのではないでしょうか。

ちょうどいい強さは、そのあいだにあります。中くらいの強さの目安は、会話はできるけれど、歌う余裕はないくらいです。

便利なのは、自分の息で確かめられることです。同じ速さで歩いても、体力によって、きつさの感じ方は違います。だから、「女性は全員この心拍数で」という一律の数字は決められません。脈拍の計算を覚えるより、声を出してみるほうが、自分に合った強さがわかります。

歩きながら声を出すと 強さの目安 どうする?
楽に歌える 軽い 少し速く歩く。ゆるい坂道を選ぶ
話せるけれど、歌う余裕はない 中くらい この強さがちょうどいい
話すのがつらく、短い言葉しか続かない 強い 慣れないうちは、ペースを少し落とす

試し方は簡単です。周りに聞こえないくらいの小さな声で、好きな歌を口ずさんでみてください。楽に歌えるなら、少しペースを上げます。

歌うのは苦しいけれど、「今日はいい天気だな」と話すことはできる。そこがちょうどいい強さです。流れを図にすると、次のようになります。

flowchart TD
    A["歩きながら
小さく歌ってみる"] --> B{"楽に歌える?"} B -->|はい| C["少し速く
歩く"] B -->|いいえ| D{"話すことは
できる?"} D -->|はい| E["ちょうどいい
強さ"] D -->|いいえ| F["ペースを
落とす"] classDef start fill:#E0F2FE,stroke:#0284C7,color:#0C4A6E,stroke-width:2px classDef ask fill:#FEF3C7,stroke:#D97706,color:#78350F,stroke-width:2px classDef up fill:#FCE7F3,stroke:#DB2777,color:#831843,stroke-width:2px classDef goal fill:#DCFCE7,stroke:#16A34A,color:#14532D,stroke-width:2px classDef warn fill:#FFE4E6,stroke:#E11D48,color:#881337,stroke-width:2px class A start class B,D ask class C up class E goal class F warn linkStyle default stroke:#94A3B8,stroke-width:2px

汗の量も、気にしなくて大丈夫です。暑い日は歩くだけで汗をかきますし、寒い日はほとんどかかないこともあります。汗の量だけで、運動の効果は判定できません。汗だくになるほど追い込まなくても、息が弾んでいれば、体はきちんと動いています。

「では、きつい運動はよくないの?」と聞かれることもあります。そんなことはありません。走るのが好きな方、強めのダンスが楽しい方は、続けてかまいません。世界の目安でも、強い活動なら、週の時間は短くてすむとされています。ただ、運動から離れていた方がいきなり強くすると、続かなかったり、体を痛めたりしやすくなります。

続けていると、同じ速さなのに、前より楽に話せるようになる日がくるかもしれません。それは、体力がついてきたしるしのひとつです。そのときは、少しだけ速く歩いてみてください。目安の強さは、あなたの体力といっしょに育っていきます。

【答え合わせ】セルフチェックの項目2

「汗だくになるくらいきつくないと、運動にならない」は、思い込みでした。話せるけれど歌えないくらいの強さで十分です。汗の量だけでは、効果は測れません。

今日から使えるヒント

  • 次に歩くときに、小さく歌を口ずさんで、いまの強さを確かめる
  • 楽に歌える日は、信号と信号のあいだだけ少し速く歩く

体重だけで採点しない — 体力や気分の変化も「効果」のうち

1か月がんばって歩いたのに、体重計の数字はほとんど同じ。「やっぱり私には効かないんだ」と、そこでやめてしまった。そんな経験はありませんか。

体重は、運動の通信簿の1教科にすぎません。

体力、体重、おなかまわり、血圧、気分は、同じように変わるわけではなく、別々に見ていくものです。

閉経後の女性を調べた試験があります。対象は、運動の習慣があまりなく、体重が多めで血圧も高めの方たちです。少ない運動量のグループでも、体力はよくなりました。一方で、血圧には、運動をしないグループとのはっきりした差が出ませんでした。ただ、これはひとつの結果です。血圧を指摘された方も、この結果だけで運動をやめなくて大丈夫です。

ひとつの数字がよくなれば全部がよくなる、とは限りません。反対に、ひとつの数字が動かなくても、ほかの教科が伸びていることはあるのです。

通信簿の教科 こんな形で気づく 見方のコツ
体力 階段や坂道で息が切れにくい。同じ速さが楽になる 体重計には映らない変化。息の上がり方を見る
おなかまわり、体脂肪 ウエストや服のゆとり 過体重(身長に対して体重が多めの状態)の方では、動く量が増えるほど変わりやすい
血圧、血糖 健診の数字 体力とは別の教科。健診で確かめる
気分 歩いたあと、少し気持ちが軽い 落ち込みを軽くする可能性はある。治療の代わりではない
長い目で見た健康 すぐには見えない 活動的な女性は、将来の心臓の病気などが少ない傾向がある

体重は、食事や水分、生理の前後などでも動きます。数日の増減で、運動の成果を決めることはできません。

「週に何分動くと何kg減る」という話にも注意が必要です。これは、運動量の違うグループを比べたときの差の話で、毎週その分ずつ減っていくという意味ではありません。おなかまわりや体脂肪の変化も、主に過体重や肥満の方を調べた結果です。痩せ型や標準体重の方が、同じ数字を自分に当てはめる必要はありません。もともと体重を減らす必要がない方にとって、有酸素運動のごほうびは、体重以外の教科にあります。

体重を整えたい方は、運動だけでなく、食事を含めた全体で考えるのが近道です。美しく輝くためのトータルダイエットガイドも参考にしてください。

たとえば、こんな人を想像してみてください。よくある例をもとにした、架空の人物です。

30代のAさんは、駅までの道を速歩きに変えて1か月。体重はほとんど変わりませんでした。けれども、駅の階段で前ほど息が切れなくなってきました。体重計だけを見ていたら、Aさんはこの変化に気づかないまま、やめていたかもしれません。

歩くことやジョギングなどの運動が、気分の落ち込みを軽くする方向に働く可能性は示されています。ただ、確かさはまだ高いとは言えません。「運動すればぐっすり眠れて、落ち込みも治る」とまでは言い切れないのです。心と体のつながりについては、メンタルヘルスが美肌を作る!知られざる心と肌の驚くべき関係性と改善法もあわせてどうぞ。

気分の落ち込みが続く、眠れない、好きなことを楽しめない。そんなときは、運動でなんとかしようとせず、かかりつけや心療内科に相談してください。運動は、治療の代わりではありません。

【答え合わせ】セルフチェックの項目3

「体重が減らなければ、運動の効果はない」は、思い込みでした。体重は通信簿の1教科です。体力や気分は、体重計には映らないところで変わっていくことがあります。

今日から使えるヒント

  • いつも使う階段を決めて、上ったあとの息の上がり方を週に1回メモする
  • 体重を量るなら、毎日の増減ではなく、1か月の流れで見る

【ポイント1】のまとめ

有酸素運動で見るのは、1回の長さではなく1週間の合計です。強さは、話せるけれど歌えないくらい。結果は、体重だけでなく、体力や気分も含めて見ていきましょう。この3つを押さえるだけで、「今日は短かったから無駄だった」という考えから自由になれます。

ただし、女性の体は、いつも同じではありません。次の【ポイント2】では、生理、妊娠と産後、更年期と、時期によって変わる目的と調整のしかたを見ていきます。いまは当てはまらないという方は、【ポイント3】の3ステップから読んでも大丈夫です。

【ポイント2】女性の健康は時期で変わる — 有酸素運動の目的も変えていい

生理前は体が重い。妊娠がわかって、何をしていいのかわからなくなった。産後、いつから動いていいのか誰にも聞けない。40代に入り、急にほてるようになった。女性の体は、同じ1か月の中でも、一生の中でも変わり続けます。

だからこそ、有酸素運動も「いつも同じメニューを、同じ量で」と考えなくていいのです。その時期ごとに、目的を変えていきましょう。

気になること この章の答え
生理のあとは痩せやすい? そうとは言えない。周期より、その日の体調に合わせる
運動で生理痛は軽くなる? 軽くなる可能性はある。強い痛みの日に無理に動く話ではない
妊娠中も動いていい? 問題がなければ望ましい。ただし新しく強い運動は始めない
産後はいつから動ける? 週数だけでは決まらない。回復のしかたを見る
運動でほてりは治る? 治るとは言えない。それでも運動には別の役割がある

ひと言でいうと、有酸素運動の目的は時期によって変わり、その時期の体に合わせて変えてかまわない、ということです。

時期ごとの目的を、ひとつの流れにしてみました。通らない時期は飛ばして、いまの自分に近い時期の小見出しだけ読んでもかまいません。

flowchart TD
    A["生理がある時期
その日の体調に
合わせる"] --> B["妊娠中
安全に
続ける"] B --> C["産後
回復を見ながら
少しずつ"] C --> D["更年期から
体力と全身の
健康を守る"] D --> E["どの時期も
できる形で動く"] classDef young fill:#FCE7F3,stroke:#DB2777,color:#831843,stroke-width:2px classDef preg fill:#FEF3C7,stroke:#D97706,color:#78350F,stroke-width:2px classDef post fill:#E0F2FE,stroke:#0284C7,color:#0C4A6E,stroke-width:2px classDef meno fill:#EDE9FE,stroke:#7C3AED,color:#4C1D95,stroke-width:2px classDef goal fill:#DCFCE7,stroke:#16A34A,color:#14532D,stroke-width:2px class A young class B preg class C post class D meno class E goal linkStyle default stroke:#94A3B8,stroke-width:2px

生理やPMS、PCOSと運動 — 「生理後なら痩せる」より、その日の体調に合わせる

「生理が終わってからの1週間は痩せ期。ここで運動しないともったいない」。SNSで、そんな話を見かけたことはありませんか。

残念ながら、生理のあとなら痩せる、とは言えません。生理の周期と運動の成績を調べた報告では、時期による平均的な差はごく小さいものでした。全員に同じ「周期別メニュー」をすすめる根拠は乏しく、一人ひとりの症状や感じ方を大切にする、というのがこの報告の結論です。しかも、これは走る速さや力の出方といった運動の成績の話で、脂肪が落ちやすい日を調べたものではありません。

カレンダーに合わせるより、今日の自分の体に聞く。それでかまいません。

「生理中は運動してはいけない」というのも、全員に当てはまる話ではありません。つらい日は休み、動ける日は軽く動いてかまいません。

運動を続けることで、原因となる病気のない生理痛が軽くなる可能性は示されています。ただ、確かさはまだ低めで、調べられた運動には、ストレッチやヨガも含まれています。「痛みが強い日に、その場で運動すれば治る」という話ではありません。痛い日は休んで、調子のいい日に動いてかまいません。生理痛との付き合い方は、「生理痛」は体からの愛のメッセージ。無視せずケアして、一生モノの美と健康を手に入れるでもお話ししています。

痛みがだんだん強くなる、痛み止めが効かない、生理のとき以外も痛む。そんなときは、子宮内膜症などの病気が隠れていることもあります。運動で様子を見るのではなく、婦人科に相談してください。

PMSは、生理痛とは別のものです。生理痛の話を、そのまま当てはめることはできません。生理前の体が重い時期は、がんばって運動を増やすより、できる範囲で動くくらいがちょうどいいでしょう。PMSのしくみと対処は、理由がわかれば、もっと優しくなれる。産婦人科医と学ぶ「月経前症候群」のやさしい教科書。イライラの正体を知って、心穏やかな毎日へをどうぞ。

生理の間隔がばらばら、しばらく来ていないという方は、運動で様子を見るのではなく、婦人科に相談してください。痩せたくて食事を削っている方は、【ポイント3】のSTEP3もあわせて読んでください。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、生理が不規則になる原因のひとつです。そう言われた方にも、運動を含めた生活の見直しがすすめられています。目的は、体重を減らすことだけではありません。代謝の健康や心の面も含めて、体全体の健康を考えていきます。

どの運動がいちばんいいか、どのくらいの強さがいいかは、まだわかっていません。ですから、続けやすい運動を選んでかまいません。ただし、運動だけでPCOSが治る、妊娠しやすくなると言い切ることはできません。気になることは、婦人科で相談してください。

【答え合わせ】セルフチェックの項目4

「生理のあとに運動すれば、必ず痩せる」は、思い込みでした。カレンダーより、その日の体調を基準にしましょう。

今日から使えるヒント

  • 手帳やアプリに、生理の時期と「動きやすかった日」を、ひと言だけ記録する
  • 体が重い日は、運動の予定を「いつもの道を歩くだけ」に下げる

妊娠中と産後 — 「何週から」より、体の回復と周りの支えを見る

妊娠がわかったとたん、「動いていいの? じっとしていたほうがいいの?」と迷う方はとても多いものです。

妊娠の経過に問題がなく、運動を止められる理由がなければ、妊娠中に体を動かすことは安全で、望ましいこととされています。妊娠中の運動には、妊娠糖尿病などを防ぐ方向の効果も示されています。ただし、これは有酸素運動だけの結果ではなく、すでに妊娠糖尿病と診断された方の治療の話でもありません。

大切なのは、これまでの運動習慣で分けて考えることです。

これまでの自分 妊娠中の考え方
運動の習慣があった 体調を見ながら、無理のない形で続ける。妊婦健診で相談する
運動の習慣がなかった 少しの量から、ゆっくり始める。新しく強い運動は始めない
運動を止められている 自己判断で動かず、かかりつけの産科の指示に従う

妊娠中に気をつけたいのは、暑さ、水分、転倒です。暑い時間帯を避け、水分をこまめにとりましょう。転びやすい運動や、おなかをぶつけやすい運動は避けます。妊娠中の毎日のケアは、妊娠中のボディケア完全ガイド:多忙な女性のための時短テクニックも参考になります。

体調が悪い日は、目安の時間より休むことを優先してください。出血、おなかの痛みや張り、水っぽいものが流れる感じがあるときは、運動をやめて産科に連絡しましょう。

産後によく聞かれるのが、「何週たったら走っていいですか?」という質問です。答えは、週数だけでは決まりません。分娩の経過も、会陰や帝王切開の傷の治り方も、出血の様子も、人それぞれだからです。

産後1年の女性に向けた新しい指針には、中くらい以上の強さの活動を週120分以上、週4日以上に分けて行う、という目安があります。いまの自分には遠い数字に見えても、焦らなくて大丈夫です。これは有酸素運動と筋力運動を合わせた量で、出産直後の全員に求めるものではありません。軽い活動から始めて、傷の治りや出血の反応を確かめながら、少しずつ進めていくものです。

flowchart TD
    A["軽い活動から
始める"] --> B["傷の痛みや
出血を確かめる"] B --> C{"悪くなった?"} C -->|いいえ| D["少しずつ
増やす"] C -->|はい| E["量を減らして
相談する"] classDef start fill:#E0F2FE,stroke:#0284C7,color:#0C4A6E,stroke-width:2px classDef ask fill:#FEF3C7,stroke:#D97706,color:#78350F,stroke-width:2px classDef goal fill:#DCFCE7,stroke:#16A34A,color:#14532D,stroke-width:2px classDef warn fill:#FFE4E6,stroke:#E11D48,color:#881337,stroke-width:2px class A,B start class C ask class D goal class E warn linkStyle default stroke:#94A3B8,stroke-width:2px

新しい指針のもうひとつの特徴は、運動の量だけでなく、回復と周りの支えも大切にしていることです。夜中の授乳で眠れない日が続けば、運動の時間がないのは当たり前です。誰かに赤ちゃんを見てもらえなければ、外を歩くこともできません。動けないのは、お母さんの努力が足りないからではありません。家族の分担や、地域の支援を借りることも、回復の一部です。赤ちゃんが眠っている時間は、運動より自分の睡眠を優先してかまいません。授乳中で、どのくらい動いていいか迷うときも、ひとりで決めずに聞いて大丈夫です。

産後のこんなサイン どう考える?
傷の痛みが続く。動くと出血が増える 「慣れれば大丈夫」と片づけない。量を減らして産科に相談
尿もれ、骨盤の重い感じ 骨盤底(骨盤の底で内臓を支える筋肉など)の不調かもしれない。産科や婦人科に相談する
強い疲れが続く 運動の前に、休息と分担を見直す
胸の痛み、じっとしていても息苦しい、気を失う 運動の計画より先に、すぐ受診する

産後の尿もれを減らす方法として主に確かめられているのは、骨盤底筋の訓練です。歩いたり走ったりすれば尿もれがよくなる、という話ではありません。有酸素運動と骨盤底筋の訓練は、目的の違う別の運動と考えてください。産後の体のケアは、産後のボディケア: 健康的な美しさを取り戻す方法にもまとめています。

【答え合わせ】セルフチェックの項目5

「産後は決まった週数がたてば、誰でも走り始めていい」は、思い込みでした。見るのは週数より、傷や出血の様子、骨盤底の状態、眠りや支えです。

今日から使えるヒント

  • 産後の健診で、「どのくらい動いていいですか」とひと言聞く。健診が終わっている方は、出産した施設に聞いてもいい
  • 赤ちゃんを見てもらえる15分を、家族に1回お願いしてみる。頼める人がいない日は、赤ちゃんといっしょに家のまわりを少し歩くくらいでかまわない

更年期のほてりと運動 — 治すためではなく、体力と全身の健康を守るために

急に顔がカッと熱くなって、汗が止まらない。「運動すれば、ほてりも治るよ」と言われて、がんばって歩いてみたものの、あまり変わらない。そんな声をよく聞きます。

運動でほてりが治るとは言えません。

更年期の女性で、有酸素運動を続けたグループと、普段どおりに過ごしたグループを比べた試験があります。ほてりの回数にも、困り具合にも、はっきりした差は出ませんでした。運動したグループでほてりが減っても、普段どおりのグループでも減っていたのです。専門の学会も、ほてりの治療として運動をすすめてはいません。

「じゃあ、運動しても意味がないの?」と思われるかもしれません。そうではないのです。ほてりへの効果が確かでないことと、運動の意味がないことは、別の話です。

運動に期待しすぎないこと 運動が支えてくれること
ほてりを治す 体力を保つ、高める
ぐっすり眠れて気分も晴れると言い切る 動いたあと、気持ちが軽いと感じる日もある
有酸素運動だけで骨折を防ぐ 運動全般が、骨密度を支える方向に働く

骨については、閉経後の女性で、運動全般が骨密度によい結果を示しています。ただし、その中には筋力運動などさまざまな運動が含まれていて、歩くだけ、泳ぐだけで同じ結果になるとは言えません。骨密度がよくなることと、骨折が減ることも同じではありません。だから【ポイント3】では、有酸素運動に筋力運動を加えることをおすすめしています。

ほてりやすい方は、暑い時間帯を避ける、脱ぎ着しやすい服で歩く、といった工夫をすると動きやすくなります。

ほてりや寝汗で毎日がつらいときは、運動だけでがんばり続けなくていいのです。出はじめたばかりで、更年期なのかわからないという方も、婦人科で聞いてかまいません。婦人科には、ホルモン補充療法をはじめ、ほかの選択肢があります。くわしくは更年期は我慢しない時代へ|ホルモン補充療法で変わった3つの常識をご覧ください。

【答え合わせ】セルフチェックの項目6

「更年期のほてりは、運動すれば治る」は、思い込みでした。運動の役割は、体力や全身の健康を支えることにあります。

今日から使えるヒント

  • 運動の目的を「ほてりを消す」から「階段を楽に上る」に変えてみる
  • ほてりがつらい日は、涼しい朝や夕方に短く歩く

【ポイント2】のまとめ

生理のある時期はその日の体調に合わせ、妊娠中は安全に、産後は回復を見ながら、更年期からは体力と全身の健康のために。女性の体は変わり続けるので、運動の目的も変わって当たり前です。「前と同じようにできない」のは、後退ではありません。

次の【ポイント3】では、どの時期の方でも使える、細切れで積み重ねる3つのステップをご紹介します。

【ポイント3】忙しくても今日からできる、有酸素運動を細切れで積み重ねる3ステップ

「続ける自信がない」。運動の話になると、多くの方がそうおっしゃいます。ここまで読んでいただいたように、必要なのは強い意志ではありません。1週間の中に、動きを入れる場所を見つけることです。

スニーカーを買いに行く必要も、ジムを探す必要もありません。3つのステップは、どれも今日の暮らしの中で始められます。全部を一度にやらなくても大丈夫です。

ステップ やること 今日できる一歩(目安の時間)
STEP1 見つける 通勤、階段、家事の中に「足せる時間」を探す 足せそうな場面を3つ書き出す(1分)
STEP2 足す 息が弾む強さで、短い動きを1日の中に散らす いつもの道を少し速く歩く(5分)
STEP3 調える 筋力運動を加え、疲れた日は減らし、無理のサインを見逃さない 今日の体調をひと言でメモする(1分)

ひと言でいうと、時間を新しく作るのではなく、暮らしの中にある時間を見つけて、少しずつ足していこう、ということです。

3つのステップは、次のようにつながっています。1週間ごとに見直して、自分に合う形へ育てていきましょう。

flowchart TD
    A["STEP1 見つける
足せる時間を探す"] --> B["STEP2 足す
息が弾む強さで
短く動く"] B --> C["STEP3 調える
体調に合わせて
増やす・減らす"] C --> D["週末に合計を
ふり返る"] D --> E["来週の形を
少しだけ直す"] classDef find fill:#E0F2FE,stroke:#0284C7,color:#0C4A6E,stroke-width:2px classDef add fill:#FCE7F3,stroke:#DB2777,color:#831843,stroke-width:2px classDef tune fill:#FEF3C7,stroke:#D97706,color:#78350F,stroke-width:2px classDef look fill:#EDE9FE,stroke:#7C3AED,color:#4C1D95,stroke-width:2px classDef goal fill:#DCFCE7,stroke:#16A34A,color:#14532D,stroke-width:2px class A find class B add class C tune class D look class E goal linkStyle default stroke:#94A3B8,stroke-width:2px

STEP1 見つける — 通勤、階段、家事の中に「足せる時間」を探す

「運動の時間を作ろう」と考えると、予定表のどこにも空きがないように見えます。そこで、発想を変えてみましょう。作るのではなく、見つけるのです。

平日の1日を思い出してみてください。あなたが体を動かしている場面は、すでにいくつもあるはずです。そのうちのどこかを、少しだけ息が弾む動きに変えられないでしょうか。

1日の場面 足せる動きの例
朝の通勤 駅までの道を速歩きにする。ひと駅分歩ける日は歩く
職場で 階段を使う。昼休みに外へ出て歩く
買い物 少し遠いお店まで歩く。自転車で行く
家事 掃除機をかける時間を、きびきび動く時間にする
子どもと 公園でいっしょに走る。送り迎えの帰り道を速く歩く
夜 好きな音楽に合わせて、家の中で体を動かす

仕事や家事で疲れている日が多い方もいるはずです。その疲れは本物です。ただ、疲れと、息が弾む動きは別のものです。疲れきっている日に、さらに運動を積み上げる必要はありません。自分の1週間を一度ながめてみることが大切です。

座っている時間にも目を向けてみましょう。日本の目安は、座りっぱなしの時間にもふれています。デスクワークの方は、長く座り続けないように、席を立つきっかけを作るだけでも、1日の動きが変わります。

忙しさの形は人によって違います。自分に近いものから、1つだけ選んでみてください。

こんな毎日なら 見つける場所
デスクワーク中心 通勤の前後と昼休み。席を立つきっかけを決める
小さな子どもがいる 送り迎えと公園。ひとりの時間を探さなくていい
残業で帰りが遅い 帰宅後に足さない。朝の通勤と昼休みに絞る。どちらも無理な日は休む
産後で赤ちゃんと家にいる 家の中の足踏みや、赤ちゃんといっしょの近所歩き。眠れていない日は休む
夜勤や不規則な勤務 時間帯を決めず、「起きて体調がよければ5分」にする
家族の介護がある 買い物の行き帰り。ほかの人に頼める日を作る

今日から使えるヒント

  • 明日の予定を見て、足せそうな場面を3つ書き出す
  • その中で、いちばん簡単なものに丸をつける

STEP2 足す — 息が弾む強さで、短い動きを1日の中に散らす

場面が見つかったら、そこに動きを足していきます。使う目安は、【ポイント1】でお話しした「話せるけれど歌えない」です。

コツは、「やる気が出たら」ではなく「○○したら」で決めることです。「駅を出たら速歩きにする」「昼ごはんを食べたら外を歩く」。すでにある行動にくっつけると、迷わずに動きやすくなります。

時間別に、例を挙げてみます。

使える時間 できること ポイント
3分 階段を使う。家の中で足踏みをする 息が少し弾めば十分
5分 駅までを速歩きにする 楽に歌えるなら、少し速く
10分 昼休みに外を歩く 午後の気分転換にもなる
20分以上 休日に散歩、自転車、水泳、ダンス 楽しいものを選ぶ

「20分以上」の欄もあるのは、長い運動が悪いからではありません。時間が取れる日は、貯金箱に千円札を入れるつもりで、ゆっくり楽しんでください。ただ、取れない日を「失敗」と数えないことです。

増やし方も、少しずつで大丈夫です。今週の合計が30分なら、来週は35分。0か100かで考えるより、続けやすくなります。何日も動けない週があっても、やり直しは簡単です。いつもの道の5分から、もう一度足していきましょう。

たとえば、平日に時間が取りにくい方の1週間は、こんな形です。どれも、息が弾むくらいの強さで動いた時間です。

曜日 足した動き その日の合計
月 朝の速歩き5分、昼休み10分 15分
火 朝の速歩き5分 5分
水 疲れたのでお休み 0分
木 朝の速歩き5分、帰り道5分 10分
金 朝の速歩き5分、昼休み10分 15分
土 近くの公園を歩く、子どもと走る(30分) 30分
日 買い物まで歩いて往復20分 20分

合計で95分。週150分には届いていませんが、これで十分な一歩です。お休みの日があっても、週の合計は積み上がっています。

楽しさも、立派な続けるコツです。好きな音楽を聴きながら歩く、友人と約束して歩く、ダンスをする。「つらいけれどやらなければ」より、「ちょっと気分がいいから」のほうが、長く続きやすいものです。運動の始めどきについては、まだ間に合う!30代からのフィットネスで人生を変える!驚きの効果と方法も読んでみてください。

今日から使えるヒント

  • 「○○したら歩く」を1つだけ決めて、スマホのメモに書く
  • 週末に、1週間の合計をざっくり足してみる

STEP3 調える — 筋力運動を加え、疲れた日は減らし、無理のサインを見逃さない

動きを足すのといっしょに、調えることも進めていきましょう。調えるとは、足りないものを加え、多すぎるものを減らすことです。

ひとつめは、筋力運動を加えること。有酸素運動と筋力運動は、役割が違います。どの目安でも、筋力運動は週2日以上がすすめられています。【ポイント2】の骨の話でもふれたように、有酸素運動だけで全部の目的がかなうわけではありません。

骨と歩き方の話は、実は「ただ歩くだけ」だと骨は弱くなる?美脚と将来の骨密度を守るために知っておくべきウォーキングの落とし穴でもくわしくお話ししています。運動の前後に体をほぐしたい方は、ストレッチングで磨く、内なる美の輝きもどうぞ。

筋力運動といっても、ジムは必要ありません。

場所 できる筋力運動の例
台所で 流し台につかまって、かかとの上げ下げ
部屋で いすに座って立つ動きを、ゆっくりくり返す
壁の前で 壁に手をついて、腕立て伏せの動きをする

どれも、痛みのない範囲で行ってください。妊娠中や産後の方は、【ポイント2】でお話ししたとおり、自分の時期に合うかどうかを確かめてからにしましょう。

ふたつめは、疲れた日は減らすこと。動きを足す話をしてきましたが、減らす判断も同じくらい大切です。その日の体調で、次のように考えてみてください。

flowchart TD
    A["今日の体調を
確かめる"] --> B{"痛みや熱、
強い不調がある?"} B -->|ある| C["休む
続くなら相談"] B -->|ない| D{"疲れが
強い?"} D -->|はい| E["短く軽く
するだけ"] D -->|いいえ| F["いつもどおり
動く"] classDef start fill:#E0F2FE,stroke:#0284C7,color:#0C4A6E,stroke-width:2px classDef ask fill:#FEF3C7,stroke:#D97706,color:#78350F,stroke-width:2px classDef warn fill:#FFE4E6,stroke:#E11D48,color:#881337,stroke-width:2px classDef soft fill:#FCE7F3,stroke:#DB2777,color:#831843,stroke-width:2px classDef goal fill:#DCFCE7,stroke:#16A34A,color:#14532D,stroke-width:2px class A start class B,D ask class C warn class E soft class F goal linkStyle default stroke:#94A3B8,stroke-width:2px

眠りが足りない日は、運動より睡眠を優先してかまいません。寝不足の対策は、眠れていますか?睡眠不足が女性の美しさとホルモンを壊すメカニズムと、今夜から変わる方法にまとめています。

みっつめは、食事を削らないこと。運動を増やしたのに食事を減らすと、体が使うエネルギーに、食べる量が追いつかなくなることがあります。スポーツの世界でも、問題にされてきたことです。ふつうの運動習慣がいけないわけではありません。ただ、痩せたくて運動を増やし、同時に食事を削っていると、生理の乱れや強い疲れにつながることがあります。生理の乱れについては、「月経不順」を甘く見るな!専門医が語る、放置が招く美容崩壊と健康寿命短縮の恐怖シナリオもご覧ください。

運動を増やしてから生理が来なくなった、周期が乱れた、もともと不規則で気になる、疲れが抜けない。そんなときは、運動量と食事を見直し、婦人科に相談してください。

【答え合わせ】セルフチェックの項目7

「有酸素運動をしていれば、筋力運動はいらない」は、思い込みでした。筋力運動には、有酸素運動とは別の役割があります。週に2日を目安に、足してみましょう。

今日から使えるヒント

  • 歯みがきの間に、かかとの上げ下げをしてみる
  • 疲れた日は「今日は半分」と決めて、自分をほめる

知っておきたい注意点

  • 運動中の強いサインは、すぐに止める。胸の痛み、じっとしていても息苦しい、気を失う、といったときは、運動量を増やす計画より先に受診してください
  • 持病がある方、運動を止められている方は、始める前に相談する。妊娠中や産後の方も、【ポイント2】の内容を確かめてください
  • 痛みを我慢して続けない。動かしたときの痛みが強くなるなら、いったん休みましょう
  • 暑い日と水分に気をつける。暑い時間帯を避け、水分をとりながら動きましょう
  • 体重を減らすために、食事を極端に削らない。生理の変化や強い疲れは、見直しのサインです
  • 運動は、治療の代わりではない。持病の薬や、気分の落ち込みの治療を、自己判断でやめないでください
  • この記事の内容は、一般的な情報です。どの方法が合うかは、体の状態や時期によって違います

【ポイント3】のまとめ

ステップ 覚えておきたいこと
STEP1 見つける 時間は作るのではなく、暮らしの中で見つける
STEP2 足す 「○○したら歩く」で、短い動きを散らす
STEP3 調える 筋力運動を加え、疲れた日は減らし、食事は削らない

有酸素運動は、まとまった時間が取れる人だけのものではありません。今日見つけた5分は、今週の合計に足せます。

次のまとめでは、記事全体をふり返りながら、「何分から足していい?」「生理中は?」「産後はいつから?」といった、よくある質問にお答えします。

まとめ|有酸素運動は20分続けなくていい、短い時間を積み重ねればいい

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。「20分も続ける時間がない」「だから今日もできなかった」。そんなあきらめから、この記事は始まりました。

有酸素運動は、20分続けなくていい。短い動きも、1週間の合計に積み重ねていけます。

1回の長さより、続けられる形を — 女性の健康は「週の合計」と「時期」で考える

女性の毎日は、仕事、家事、育児、介護と、自分の都合だけでは動かせない時間でいっぱいです。体も、生理の周期や妊娠、産後、更年期と変わり続けます。だからこそ、女性の健康を支える運動は、「いつも同じ量を、きっちりこなす」ものでなくてかまいません。「そのときの自分に合う形を選ぶ」ものでいいのです。

この記事では、運動を「やった、やらない」の二択で考えないことを大切にしてきました。

  • 「20分続けないと意味がない」と、あきらめない。短い活動も、週の活動量に足せる
  • 「きつくないと効かない」と、追い込まない。話せるけれど歌えないくらいで十分
  • 「体重が減らないから無駄」と、やめない。体力や気分は、体重計に映らないところで変わることがある
  • 「前と同じようにできない」と、責めない。生理、妊娠、産後、更年期で、目的は変わって当たり前

有酸素運動と付き合うための全体の流れを、図にまとめました。

flowchart TD
    A["運動したいけれど
時間がない"] --> B["強い症状や
止められている
理由はない?"] B -->|ある| C["運動より先に
相談する"] B -->|ない| D["いまの時期の
目的を決める"] D --> E["見つける・足す・
調えるを続ける"] E --> F["週の合計と
体の変化を見る"] F --> G["自分に合う形で
続く毎日へ"] classDef start fill:#FCE7F3,stroke:#DB2777,color:#831843,stroke-width:2px classDef ask fill:#E0F2FE,stroke:#0284C7,color:#0C4A6E,stroke-width:2px classDef warn fill:#FFE4E6,stroke:#E11D48,color:#881337,stroke-width:2px classDef good fill:#DCFCE7,stroke:#16A34A,color:#14532D,stroke-width:2px classDef goal fill:#EDE9FE,stroke:#7C3AED,color:#4C1D95,stroke-width:2px class A start class B ask class C warn class D,E,F good class G goal linkStyle default stroke:#94A3B8,stroke-width:2px

よくある質問(FAQ)— 何分から足していい?生理中は?産後はいつから?

よくある質問に、「答え」「理由」「どうすればいい?」の順でお答えします。

Q1. 何分から、運動した時間に足していいですか?

答え: 「何分以上でないと数えない」という決まりは、いまの世界の目安にはありません。

理由: 冒頭の章でお話ししたとおり、以前あった「少なくとも10分ずつ」という条件はなくなりました。短い活動も数えられます。ただ、短い運動と長い運動が、すべての面で同じ効果を持つとまでは言えません。

どうすればいい? 息が弾む動きなら、3分でも5分でも足してかまいません。慣れてきたら、1回の時間を少し伸ばしたり、回数を増やしたりしていきましょう。

Q2. 生理中も、有酸素運動をしていいですか?

答え: 体調がよければ、かまいません。つらい日は、休んでください。

理由: 全員に共通の周期別メニューを作る根拠は乏しく、一人ひとりの体調や感じ方に合わせて考えます。強い痛みの日に、運動で治そうとする必要もありません。

どうすればいい? 動ける日は、いつもの道を軽く歩く程度でかまいません。痛みがだんだん強くなる、痛み止めが効かない、生理のとき以外も痛むといったときは、婦人科に相談してください。

Q3. 産後は、いつから運動できますか?

答え: 全員に同じ週数を言うことはできません。傷の治りや出血の様子を見ながら、軽い活動から始めます。

理由: 分娩の経過や回復のしかたは、人それぞれです。「○週たったから走っていい」と、週数だけでは決められません。

どうすればいい? 産後の健診で、「どのくらい動いていいですか」と聞いてみてください。健診が終わっている方は、出産した施設に聞いてもかまいません。動いたときに傷の痛みや出血が増える、尿もれがある、強い疲れが続くといったときは、量を減らして相談しましょう。

Q4. 朝と夜、運動するならどちらがいいですか?

答え: 続けやすいほうで大丈夫です。

理由: この記事のもとにした資料の中には、「この時間帯が女性にいちばんいい」と言い切れるものはありませんでした。何より大切なのは、週の合計が積み重なっていくことです。

どうすればいい? 通勤のある朝でも、帰り道でも、昼休みでもかまいません。「○○したら歩く」と、毎日ある行動にくっつけてみてください。寝る直前に強く動いて眠りにくくなるようなら、時間をずらしましょう。

Q5. 体重を減らしたいとき、どのくらい運動すればいいですか?

答え: 「週に何分で何kg減る」とは言えません。過体重の方のおなかまわりや体脂肪では、週150分前後か、それより多い量がひとつの目安です。

理由: 過体重や肥満の方では、動く量が増えるほど、おなかまわりや体脂肪がよい方向に変わりやすい傾向があります。ただ、体重は食事や水分でも動き、変わり方には個人差があります。

どうすればいい? 運動だけでなく、食事を含めた全体で考えましょう。標準体重でやせたい気持ちがある方も、減量の数字より、階段の息の上がり方など、体重以外の変化を目標にしてみてください。食事を極端に削ると、生理の乱れや強い疲れにつながることがあるので、注意してください。

Q6. 運動を始める前に、受診したほうがいいですか?

答え: 全員に必要なわけではありません。運動を止められている理由や気になる症状がなければ、軽い活動から始めてかまいません。

理由: 症状や持病によっては、運動を増やす前に確かめたほうがいい場合があるからです。

どうすればいい? 次の表を目安にしてください。

気になること 相談先の目安
持病があり、運動を止められている かかりつけ
健診で血圧や血糖、体重を指摘された 健診の結果を持って、かかりつけや内科へ
妊娠中、産後で、どのくらい動いていいか不安 妊婦健診や産後の健診を受けているところ。健診が終わっていれば、出産した施設
生理の痛みが強い。生理が止まった、乱れた 婦人科
ほてりや寝汗で毎日がつらい 婦人科
気分の落ち込みが続く。眠れない かかりつけ、心療内科など
胸の痛み、じっとしていても息苦しい、気を失う 運動の前に、すぐ受診する

この記事のまとめ — 無理のサインと、今日からの一歩

冒頭のセルフチェックの答えを、一覧にまとめました。7つの項目は、どれも思い込みでした。いくつ当てはまったか、思い出しながら確かめてみてください。

項目 本当のところ くわしくは
1. 週150分に届かないなら、運動してもあまり意味がない 週150分は目指す目安で、合否の線ではない 【ポイント1】
2. 汗だくになるくらいきつくないと、運動にならない 話せるけれど歌えないくらいで十分。汗の量だけでは効果を判定できない 【ポイント1】
3. 体重が減らなければ、運動の効果はない 体重は通信簿の1教科。体力、体脂肪、気分は別々に見る 【ポイント1】
4. 生理のあとに運動すれば、必ず痩せる そうとは言えない。周期より、その日の体調に合わせる 【ポイント2】
5. 産後は決まった週数がたてば、誰でも走り始めていい 週数だけでは決まらない。傷、出血、骨盤底の状態などを見る 【ポイント2】
6. 更年期のほてりは、運動すれば治る 治るとは言えない。運動の役割は、体力と全身の健康を支えること 【ポイント2】
7. 有酸素運動をしていれば、筋力運動はいらない 筋力運動には別の役割がある。週に2日を目安に足す 【ポイント3】

状況によって、いまできることは少しずつ違います。自分に近い行を探して、気になる章も読み返してみてください。

あなたの状況 いまできること くわしくは
まとまった時間がまったく取れない 「○○したら歩く」を1つ決める 【ポイント3】のSTEP2
運動から何年も離れている 少しだけ速く歩くことから始める。いまの合計に5分足す 冒頭の章、【ポイント1】
体重が変わらず、やめたくなっている 階段の息の上がり方など、体重以外を記録する 【ポイント1】
生理前や生理中がつらい 動く量を下げる。強い痛みは婦人科へ 【ポイント2】
妊娠中 暑さ、水分、転倒に注意。新しく強い運動は始めない 【ポイント2】
産後 軽い活動から。家族や地域の支えを借りる 【ポイント2】
更年期のころ 目的を体力に変える。ほてりがつらければ婦人科へ 【ポイント2】
疲れが強い、生理が乱れた 運動と食事を見直す。続くなら相談する 【ポイント3】のSTEP3

次のサインがあるときは、運動を増やす前に相談してください。いちばん上の項目は、すぐ受診しましょう。

  • 胸の痛み、じっとしていても息苦しい、気を失う
  • 妊娠中の出血、おなかの痛みや張り、水っぽいものが流れる感じ
  • 産後、動くと傷の痛みや出血が増える
  • 運動を増やしてから、生理が来なくなった、周期が乱れた
  • 動かすと強くなる痛みが続く

運動についての情報は、ネットにあふれています。迷ったときの見分け方を、図にまとめました。

flowchart TD
    A["運動の情報に
出会ったら"] --> B["誰でも必ずと
言い切っていない?"] B -->|言い切っている| C["対象と条件を
確かめる"] B -->|言い切っていない| D["参考にできる"] C --> E["商品をすすめる
ための話では?"] E --> F["気になることは
相談して確かめる"] D --> F classDef start fill:#FCE7F3,stroke:#DB2777,color:#831843,stroke-width:2px classDef ask fill:#E0F2FE,stroke:#0284C7,color:#0C4A6E,stroke-width:2px classDef warn fill:#FFE4E6,stroke:#E11D48,color:#881337,stroke-width:2px classDef good fill:#DCFCE7,stroke:#16A34A,color:#14532D,stroke-width:2px classDef goal fill:#EDE9FE,stroke:#7C3AED,color:#4C1D95,stroke-width:2px class A start class B ask class C,E warn class D good class F goal linkStyle default stroke:#94A3B8,stroke-width:2px

「この時期に動けば必ず痩せる」「女性は男性の半分の運動でいい」「運動すれば更年期の症状が治る」。こうした言い切りを見かけたら、いったん立ち止まってみてください。誰を調べた話なのか、何を測った話なのかで、意味は大きく変わります。

今日、ひとつだけやってみてください。

今日、5分だけ、いつもより少し速く歩いてみてください。帰りが遅い日は、明るい道を選ぶか、次の日の朝に回してかまいません。外に出られない日は、家の中の足踏みでも大丈夫です。

周りに聞こえないくらいの小さな声で口ずさんで、歌うのは苦しいけれど話すことはできるなら、それがちょうどいい強さです。特別な準備は、何もいりません。

5分歩けたら、明日からはこんなふうに続けてみてください。

  • 気持ちよく歩けた:「○○したら歩く」を1つ決めて、週の合計をメモする
  • 時間が取れない日が続く:3分の階段や足踏みから、足せるところに足す
  • 痛みや強い疲れなど、気になるサインがある:無理に続けず、相談を先にする

この記事が役に立ったと感じたら、身近な人にも教えてあげてください。

  • 「運動する時間がない」が口ぐせの同僚
  • 産後の体が戻らないと焦っている友人
  • 体重が減らないと運動をやめてしまった家族

パートナーに読んでもらえば、「運動できないのは意志が弱いから」とは限らないことを、わかってもらいやすくなります。子どもを見てもらえる15分があるだけで、動ける日が増えるかもしれません。

女性の体と暮らしは、一生の中で何度も変わります。忙しい時期も、体調が揺れる時期もあります。そのたびに、自分に合う形へ変えていけばいいのです。できなかった日を数えるより、動けた5分を数えましょう。

今日の5分から。女性の健康を支える動きは、そんな小さな一歩から始められます。

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